本校における教育の最大の特徴は、キリスト教の教えに基づく人格教育にあります。実はこのキリスト教の教えは、日本古来の「武士道」の精神とものすごく重なるところがあります。弱者へのいたわりや、親への敬い、正しい行いの奨励、隣人への愛などです。だから私は、キリスト教の教えを基に人格教育を行い、その結果として「日本人らしい日本人」を育てたいと思っています。
人間形成の必須条件は、「恩愛」(恵み慈しむ心)の空気に包まれることであります。この「恩愛」の心の動きがないと、同じ教育を行っても成功しがたいものです。我々鎮西学院の教職員は、キリスト教の教えによって、自然とこの「恩愛」の情をもって生徒に接しています。
世の中には、「愛」「友情」「優しさ」など、目に見えるものよりも目に見えないものの方が、大切なものが多いと思います。このようなことはおそらく全ての人々が同様に感じてはいるでしょうけれども、漠然としていてはっきりと捉えにくいものです。しかし本校には、毎日のチャペルや様々なキリスト教関連行事を通じて、このようなものをより身近にそしてより具体的に感じられる環境があると確信しています。
私たちは、預かった生徒たちは「神様のお導きにより必然として本校に入学してきた生徒たち」と捉え、決して見捨てない、これでもかというぐらい面倒を見る教育を実践しています。転校生も今年度だけで6名入ってまいりました。学校経営的なものがないとは申しませんが、その背景には、できる限り若者にワンモアチャンスをという、私たちの気持ちがあります。
在校生も様々です。そのような幅広い生徒たちのために、様々な支援プログラムを実施しているのも、大きな本校の教育の特徴であると思います。国公立大学進学コースの希望者にはナイトゼミ、居残り学習会、休日学習会、予備校からの先生を招いてのパワーアップ・セミナーなど、一般進学コースの生徒たちには、イブニング・ゼミや試験前の居残り学習会、小論文指導、面接指導、大学・幼稚園と連携した講座制授業など、また商業科の生徒たちには公務員講座、各種検定の取得に向けた商業科サポート・プランなどを実施しております。また、生徒の状況を把握し、担任との絆をより深めるために年2回の2者面談ウィークなども設け、一部授業をカットして全校一斉に面談をすることも行っております。
保護者からの要望に耳を傾けるために年に1度、こちらから県内7地区の会場に足を運び、地区保護者会も実施しています。頂いたご意見により、階段に手すりを付けたり、暗い所に電灯を増設したり、熱中症対策に製氷機を購入したり、居残り学習をする生徒のためにパンの自動販売機を設置するなどのことを実現してきました。このように、子供の成長に欠かせない、「子供を思う親の心」も大切にしていきます。
本校の持つ高等学校としての使命は明らかに公立高校とは異なっていると思いますし、他の私立とも異なっていると思います。学力を伸ばすこと、希望の進路に進ませてあげることが大切であることは教育機関とし当たり前であることは言わずもがなですが、生徒たちを神から与えられた賜物として、その生徒の能力に応じて伸ばしてやり、殺伐とした時代にあっても、人としての大切なものを忘れない、そのような人間に育てていくことが本校の目指す教育であると思っています。 (2011年9月22日
中学校教師対象入試説明会にて) |